Saraburi NorNaksin MuayThai Camp Open Fightタイ南部トランで日本のジュニアが奮闘 その2

April 14, 2012

タイ南部トランで日本のジュニアが奮闘

2012年4月7日
スック・ワンピンヨー、ソーデッダムロン
タイ南部・トラン県、パリアム郡バントゥンヤーン地区
バントゥンヤーン市場特設リング(全17試合:推定観衆4000人)

 遠征試合が行われたのは、バンコクより南に700kmのトラン県パーリヤン郡。
 これまでバンコク中央や近郊スタジアムで遠征を重ねてきたWINDY選抜チームだが、南部トラン県への遠征は初めての事だった。
 今回は立川KBAでトレーナーを努める元王者デッダムロンの凱旋興行として、生家のあるトラン県パーリヤン郡で、日本の教え子とタイ勢との対抗戦という企画で開催された。
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(写真左・プロモーターのデッダムロン氏)



 タイ現地のムエタイファンの間では“バンコクの新人戦よりも地方都市の方がレベルが高い”などとも言われているが、実際にはどうなのだろうか。
 ここはテロが盛んな深南部から直線で150kmほど離れているため、そちらの心配はしなくて良いものの、試合4日前の4月3日、トラン県と隣接するソンクラーン県ハジャイで自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し3人の死者が出た。だからか会場は実弾入り自動小銃を構えた多くの軍や自警団に守られ、異様な雰囲気の中の進行が続いた。
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第7試合32kg契約
×クンタイ・スックノーン
VS
○ナオト・ウォーワンチャイ(福田真斗・キングムエ)
(結果:福田真斗判定勝利)

 
 南部の住人には未知だった日本人ムエタイ選手だが、真斗のワイクルーが始まると「おぉ、綺麗なワイクルーじゃないか」と歓声が沸く。トップバッターの真斗だが、そんな印象が良かったか、試合前レートもイーブンの状態で開始。
 初回、クンタイは高い蹴りを当ててきたが真斗はローキックを返す。クンタイの方が高い蹴りも多く、初回は若干クンタイペース有利のレートで終わる。だが2ラウンドからは真斗のローが加速しミドルキックにもつないだ。相手のクンタイは当日8時の朝軽量で3時間目にしてようやく契約32kgにパスしていたためか、テンポの早い真斗の攻撃に早くも戸惑っているかのようにも見えた。
 3ランドに入りクンタイはやはり組んでくる。打撃で不利ならば組んでくるという流れは、ここタイ南部でも同じようだ。だが真斗は組んでからの膝蹴りにも長けている。真斗より10cmほど身長が高かったクンタイだが、真斗は体勢を上手く捌き、2回ほどクンタイをこかした。ここでイーブンに近かった賭け率が一気に真斗有利15-1まで開く。
 4ラウンド、クンタイの猛反撃に備え真斗は前蹴りで距離を取る流れになるのかと思えば、真斗はここからワンツー・ローでブンタイをコーナーにつめる。所属のキングムエ・佐藤孝也会長が「ムエタイの賭け率など気にしないで、自分の攻めをみせて欲しい」という言葉のように、真斗は最後までクンタイを攻め立てた。
 最終5ランド、終了30秒前になって、真斗はここでやっと前蹴りで距離を作り試合終了に備えた。結果はもちろん真斗の判定勝利だ。
 日・タイ対抗戦、初戦からの敗退にタイ勢、及び会場も動揺を隠せないような様子だった。
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(真斗と元全日本フェザー&NJKFライト級王者の佐藤孝也会長)







第8試合 38kg契約
○プラブスック・クンルットバティー
 VS
×クニト・ウォーワンチャイ(土屋邦登・キングムエ)
(結果:プラブスック判定勝利)

 
 二番手の邦登は昨年8月にサラブリ県アディソンスタジアムで僅差の判定負けを記している。あの時リング上でうっすらと悔し涙を浮かべていたが、今回はその雪辱を晴らす事ができるだろうか。
 プラブスックは初戦で真斗の試合を観戦し息高々になっていたからだろうか。開始ゴングと同時に鋭いハイキックで挨拶してきた。これが邦登の頬に当たりパチンと大きな音を立てた。冷や汗ものだったが邦登は何事もなかったの様にローキックを蹴り続ける。
 2ランドに入り邦登のローキックは軽快にあたりプラブスックの太ももも赤く染まってきたが、同時にプラブスックもミドルの数を増し、時おり邦登の脇腹に食い込む場面もあった。この2ランド終盤に邦登はハイキックを2発食らってしまう。バンコクの試合の様にポイントを取って勝つという闘い方ではなく、明らかに倒す事を意識した闘い方だった。邦登のローキックは変則的でスピードもあるし、確かにタイ人選手を苦しめていはいるが、それでも、もう少しミドルキックも多様して欲しかった。この試合は高い蹴り数の差ということで明暗がついてしまったが、邦登も得意のローキックに勝るほどの高い蹴りを身につければ勝てる相手だったように思う。邦登の更なるテクニシャンぶりに期待したい。
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第9試合 38kg契約
○サミンダム・コー、キッティパン
 VS
×イッセー・ウォーワンチャイ(石井一成)
(サミングダム判定勝利)

 前回のラジャでは僅差でドローとなったが、その後日本帰国し、さっそく猛特訓が始まった。立川KBAでの長期合宿やその間に3月18日、B-family Neo主催興行でWINDYスーパーファイト40kg級王者に輝きWINDY3階級を制覇。
しかしそんな石井一成でさえも、今回こそは本場でのムエタイに勝たなければならないという意志が強く感じられた。
 初回、サミンダムもいきなりハイキックを放ってきた。サミンダムは一成に比べ10cmは身長が高く、長身を生かしたミドルやハイキックでまとめてきた。だが一成は怯むことなくローキックを当てていく。
 2ランドに入り、ここからサミンダムは早くも組んできた。普通は試合中盤からスタミナ合戦の意味合いも含め組んでくる事が多いが、完全に倒しにかかってきている証拠だ。一成は組まれると膝の数では圧されていたが、気合で体制を立て直しローキックを蹴り込む。
 3ラウンド、それまで圧されていた一成だが、ここで何かが吹っ切れたかのように動きが良くなる。ワンツー、ローキックでサミンダムをロープ際に追い詰めるも、サミンダムも必死に膝を突き立ててきた。
 4ラウンド、再び組んだ接近戦に縺れこむ。サミンダムもスタミナが切れ始めているのは明確だったが、ここから一成の後ろ側に回り込んだり、打つ蹴る以外にも体の捌きで一成を征圧していく。
 最終ラウンドも同じような状態が続いたが、一成がこの場面を奪回する事も難しく、判定負けを記した。
 石井一成の打撃は日本国内ではピカイチのレベルだが、ムエタイでは接近戦での攻防時間が長いため、組んだ時の攻防に磨きをかければ、タイのリングでも良い結果に繋がるだろう。
更なる変貌に期待したい。

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 その2へ つづく

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drecom_hiroshisoda at 00:32│Comments(0)TrackBack(0) MUAY THAI 

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